株式会社クラユニコーポレーション

取材先:株式会社クラユニコーポレーション(津市)

取材日:2015年12月11日

レポーター名:大矢、乾、森脇                                    

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 

               ~信用・信頼を“カタチ”に~

株式会社クラユニコーポレーション(以下、クラユニコーポレーション)は医療・事務等の多岐に渡るユニフォームの販売を行っている企業です。CS(Customer satisfaction 顧客満足)追求委員会を立ち上げ、お客様のニーズに対応したサービスの提供を第一に取り組んでいます。そこで、同社の「おもてなし経営企業選」への取組みやその想いについて、専務取締役の倉田基史(くらたもとし)さんと執行役員経理総務部次長の古満太(ふるみつふとし)さんに伺いました。

〇企業概要

 クラユニコーポレーションは1912年に白衣専門業者として創業以来、業務用衣料、いわゆるユニフォームの提供をしている企業だ。企業用の事務服や作業服、アミューズメント施設の制服等の幅広い分野に渡るユニフォームをたくさんのメーカーから仕入れ、お客様のニーズに基づいた豊富な商品を取り扱っている。

 他社メーカーの商品の取り扱いに加え、自社工場において白衣等の自社ブランド製品の製造、販売もしている。さらに、この工場では、ユニフォームへのネーム刺繍、丈上げ、補正なども行い、お客様の細やかな注文にも対応している。こうした商品に対する一つ一つの対応にも、お客様の要望に誠心誠意応えようという想いを垣間見ることができる。


〇三重のおもてなし経営企業選について

 クラユニコーポレーションは今年(2016年)で創業104年目を迎える。そして、100年企業をアピールするツールは何かないか考えていた時、「三重のおもてなし経営企業選」のことを知った。そこで、今まで行ってきたCS活動や社員研修など、長年し続けてきたことを多くの方々に知って頂くために、そして、自社の付加価値を形として残すために、応募することを決めたそうだ。

 倉田専務に「おもてなし経営を一言で表すと?」と伺ったところ、「信用・信頼を形にみえるものにするための取組みの一環。」とおっしゃった。その答えから、自社を支える人々を最優先に考える姿勢が伝わってきた。

〇おもてなし経営への取り組み

◆社員満足 ~企業は人なり~

「『企業は人なり』なので。社員一人ひとりが成長しない限りは、会社は成長しない」取材中に古満さんが強く語った言葉だ。クラユニコーポレーションの経営理念の一つに、「会社と社員がともに成長することをめざします」という言葉がある。その言葉どおり、クラユニコーポレーションには、社員が成長するための様々な仕組みがある。

 例えば、経営理念の内容をかみ砕いて簡単にした「販売憲章」がある。内容は、「あいさつは大きい声でしよう」など、とても分かりやすい。「これはみんなの合言葉である」と倉田専務は語る。社員は毎朝朝礼で、この合言葉を声に出して確認する。社員一人ひとりが経営理念を常に意識していくためだ。そして、この読み合わせをした後に自己啓発に関する書籍を読んで感想を言ったり、新しい商品の勉強をするなど、社員は毎日、有意義な朝礼を過ごしている。

 また、パート社員も含めた全社員の個人面談を行っている。面談は年に2回、倉田専務と各支店の支店長、常務が行い、1人当たり30分から1時間話をする。ここでは、事前に点数化した自己評価をもとに、反省と今後の課題を見出してもらうことが主な狙いである。面談は、普段言えない自分の本音を直接伝えることができる機会にもなっている。倉田専務は「意外にも本音で話してくれる人が多い」と笑いながら話した。

 ひとつひとつの取組みの背景に、社員への強い想いを感じた。


◆地域満足 ~一緒に働き、一緒に学ぶ~

クラユニコーポレーションは、インターンシップの受入れや福祉施設へ衣料品の寄付、周辺の通りやゴミ捨て場の掃除を行うなど、多岐にわたる地域貢献の活動を行っている。

なかでも、特に力を入れている活動が中学生の職場体験であり、クラユニコーポレーションの工場でエプロンを作る。ミシンを使ってエプロンを縫い、刺繍機で名前を入れる子どもたちは、とても楽しそうだという。職場体験は二日間という短い期間ではあるが、子どもたちは「働くことの意味」を学び、社会の一部分に触れることができる。また、職場体験の後にいつも送られてくる礼状には、丁寧な感謝の思いが書かれているという。会社にとっても次の活力となるようなものを得ることができるそうだ。

近い将来、地域を担っていく子どもたちと働くことの意味を一緒に考える。クラユニコーポレーションの地域との深い繋がりを感じることができた。


◆顧客満足 ~サービスの付加価値化~

クラユニコーポレーションは「サービスの付加価値化」を強みとして掲げる。目指すスタイルは、「かゆいところに手が届き、気軽になんでも頼めるクラユニさん」だ。一枚の注文でも対応すること、一度注文を受けたお客様に継続的なユニフォームの提供を行い、「売り切れ御免」とならないようにすること、など細やかな配慮を行っている。

他には、お客様の思いを知るために、クラユニコーポレーションはCS追求委員会を設け、お客様に対してはがきのアンケート調査を行っている。アンケートによってお客様の満足度を図ること、面と向かってでは言いにくいことも言えるようにすることが目的である。CS追求委員会では約800通にものぼるアンケート結果をもとに会議で話し合い、改善点を見出して、一度結んだ縁を一回きりにしないよう次につなげるようにしている。

また、クラユニコーポレーションではインターネットでの販売は行っていない。これは、お客様の顔が見える範囲で営業活動を行うという方針のためだ。機械的な営業にならないよう、お客様とのコミュニケーションを大切にしている。

〇今後の展望

 倉田専務は今後に関して「自社のサービスの提供について、より一層の信頼・信用の向上に努めたい」と強く語ってくれた。CS追求委員会の活動やCSアンケートの実施をもとに、お客様のニーズを理解し、それに対応するサービスの改善をし続けている。こうした飽くなき向上心こそがクラユニコーポレーションの根幹を作っているのではないだろうか。

〇取材後記  

 取材を行う前は、クラユニコーポレーションについて工場でユニフォームの製造を行っている企業という印象が強かったです。しかし、お話を伺うにつれて、お客様のニーズに応えることを第一に、サービスに力を入れていることが分かり、取材前と取材後ではクラユニコーポレーションへのイメージが180度変わりました。良い意味でのギャップを感じました。

また、取材を通して、クラユニコーポレーションの“人”に対する強い想いを感じました。社員の方々の成長を促し、地域の子どもたちと共に働く意味を考え、お客様の満足度の向上を図る、人をとても大切にする企業であることが伝わってきました。

 そして、伺った内容のどんな事柄からも、社員、地域、顧客を大切に思う気持ちが伝わってきました。会社は周囲の人々の支えがあって成り立っていることを知りました。これからも、顧客への、そして社員への温かさに満ちた企業であり続けて欲しいと思います。

ガクレポホームページ

三重県内の魅力ある企業・NPOを取材し、記事にして発信している学生団体です!!

0コメント

  • 1000 / 1000